オンラインカジノで逮捕者が出たのは紛れもない事実です。
そのため、オンラインカジノに対して「違法なもの」「触れない方がよいもの」といったイメージをお持ちの方もいるようですが、果たして「真実」はどのような点にあるのでしょうか。
「オンラインカジノによる逮捕者」に関しては二つの点が考えられます。
まず、2000年代前半、オンラインカジノが注目を集め始めた頃のことです。
この時に逮捕されたのはオンラインカジノのプレイヤーではなく、オンラインカジノをお店で提供していた店長等経営陣です。
いわゆるカジノカフェやインカジと呼ばれているもので、一プレイヤーが自宅で楽しんでいたら逮捕されたのではなく、お店が営業中にお客にオンラインカジノを斡旋したことによる逮捕でした。
その理由として、ただ単に斡旋しただけであれば良いのですが、そこに金銭が絡んだ、つまりオンラインカジノを楽しめるチップを有料で販売したことで、賭博斡旋となったのです。
確かに「オンラインカジノで逮捕者が出た」のは間違いないのですが、普通に楽しんでいたユーザーが逮捕されたわけではないので、その点は誤解してはならない部分です。
しかし、当時丁度オンラインカジノが登場して間もない時期だったこともあったので、マスコミ等が「オンラインカジノで逮捕者が出た」とこぞって報道されました。
そのことから、オンラインカジノに対して「違法なもの」というイメージを持ってしまい、未だにそのイメージのままという人はとても多いようです。
「いやいや、インカジやカジノカフェだけじゃなく、プレイヤーが逮捕されたのも知っている」という方もいるのではないでしょうか。
これもまた事実です。
2016年、スマートライブカジノを楽しんでいたプレイヤーが逮捕されるという事件が起きました。
この点はオンラインカジノ業界に大きな衝撃を与えました。
インカジやカジノカフェではなく、プレイヤー側が逮捕されたとあって、「やはりオンラインカジノは黒だ」との声も聞かれました。
しかし、逮捕されたものの不起訴となりました。
スマートライブカジノは、日本人ディーラーが売りでした。
その点に目を付けられたとも言われており、いわば「海外のサーバーで運営していても日本人向けはアウト」と警察も主張したかったのかもしれませんが、法曹界からの反発の声も高まり結局は不起訴となりました。
同じ罪状で逮捕したところで不起訴になることが分かってしまったという点では、皮肉にも警察が自ら「オンラインカジノは不起訴にはならない」と証明した形になってしまいました。
インカジやカジノカフェで逮捕された経営者や店長たちは起訴もされました。
つまりこちらは「有罪」だということです。
インカジやカジノカフェとスマートライブカジノのユーザーは何が異なるのか。
この点をはっきりさせておかないからこそ、「オンラインカジノはアウト」というイメージとなってしまうのですが、インカジやカジノカフェがアウトなのは、オンラインカジノを「提供」した点にあります。
オンラインカジノはギャンブルであることは間違いありません。
そして、そのギャンブルをお店という「営業行為」の中で提供したので、カジノが禁止されているわが国の法律に抵触するという判断です。
しかし、一ユーザーが個人で楽しむ限りにおいては、「営利」ではありません。
オンラインカジノがギャンブルであることは間違いありませんが、誰かに提供したわけではありませんので、逮捕には至らなかったのです。
ではなぜこの二つの「全く異なる事案」が一緒になってしまっているのか。
そして、そのおかげでオンラインカジノに対してネガティブな気持ちを持っている人が多いのか。
その背景には、「オンラインカジノ」という単語が使われていることで、大してオンラインカジノに興味がない人からすれば、インカジやネットカジノと言った単語ではなく、「オンラインカジノ」という単語しか耳に残らないことでしょう。
そして、「逮捕」というパワーワードから、「オンラインカジノは逮捕される」というイメージになってしまっているのです。
更にはその後、スマートライブカジノで逮捕者が出たことで「やっぱりオンラインカジノは逮捕される」と、記憶に上書きされてしまったのです。
しかし、その理由はいわば興味がないからこそで、決して真実を理解している訳ではないのです。
オンラインカジノで逮捕者が出たのは、オンラインカジノを楽しんでいたからではなく、営業中にオンラインカジノをお客に斡旋してビジネスにしようとしたからです。
しかし、世間には「オンラインカジノで逮捕者」として報道されてしまいましたので、その時のイメージを持っている人が多いのも致し方ない部分ではあります。
とはいえ、一ユーザーが自分の趣味で楽しんでいる範囲に於いては、その限りではないことは覚えておくと良いでしょう。